闇夜ヨルの恐怖記録 5
「やっぱ探偵ってカッコイイよなぁ」


ドラマを見終えたテツヤが心底そうつぶやいたので、他の2人は同時に笑い出した。


「それはドラマだからだろ。役者は決められたセリフを言って、決められたストーリーを作ってるだけだ。だからあんなにうまくいくんだよ」


現実的なジュンイチの言葉に思わず頬をふくらませる。


「そんなことくらいわかってるよ。でも憧れなんだよ」


どうやらテツヤは本当に探偵に憧れているらしい。


そう理解したカツユキはペンとブルーのメモ帳を持ってきた。


「だったら俺たちでやってみるか?」


「は?」


テツヤはカツユキの言葉に聞き返す。


「探偵だよ、探偵」


今度はジュンイチが目をパチクリさせた。


そんな2人を見てカツユキはメモ帳にペンを走らせる。


《恐怖中学校放課後探偵団》


メモ帳の表紙に書かれた文字にテツヤが目をしばたたかせた。


「恐怖中学校放課後探偵団」


声に出して読んでみるとなんだか体がくすぐったい感じがした。
< 88 / 159 >

この作品をシェア

pagetop