闇夜ヨルの恐怖記録 5
☆☆☆

恐怖中学校放課後探偵団は、最初の仕事を探していた。


「なにか悩み事とかない?」


とクラスメートに質問して、自分たちに解決できそうなことであれば手伝うのだ。


しかし、テスト期間が近い今の時期の悩みと言えばみんな一様に勉強についてのことばかり。


3人組ではあまり力になれないことだった。


「勉強以外の悩みってみんなないのかなぁ」


仕事を探し疲れて教室で休憩しているテツヤはぼんやりと天井を見上げてつぶやく。


「そんなことはないと思う。でも今の悩みはだいたいテストに関することだろうな」


ジュンイチはペットボトルのお茶を一口飲んで答えた。


どうやら探偵団を発足するにあたって時期が悪かったみたいだ。


「じゃあ、それぞれ得意分野の勉強会をしてみるとか?」


カツユキの提案はよさそうに感じられたけれど、3人の成績は真ん中くらいだ。


必然的に教えられる相手は限られてきてしまう。


それではみんなを助けたということにはならない。
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