闇夜ヨルの恐怖記録 5
その言葉に3人は目を見交わせた。


今日1日色々な生徒に探偵団です、悩みなどはないですか? と質問をしてきたから、他のクラスにまで噂が流れてしまったようだ。


「そうだけど、なにか困りごと?」


テツヤは立ち上がって食いつくように質問をした。


その態度が怖かったようで西川さんは後ずさりする。


せっかくのお客さんを逃してしまいそうな勢いなので、ジュンイチが一歩前に出た。


「探偵団って言ってもまだなんの活動もしてないんだ。それでもよければ悩みくらいなら聞くよ?」


穏やかなジュンイチの声にホッとしたように笑顔を見せる。


だけどテツヤは納得できなかった。


悩みを聞くだけで終わったら、それはただの相談室だ。


そうじゃなくて、自分がやりたいのは探偵なのだ。


困っている女性を身を挺して助けるようなカッコイイ探偵。


「実は大切なものを無くしてしまって……」
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