【書籍化】利害一致婚のはずですが、ホテル王の一途な溺愛に蕩かされています
その瞬間、グズグズに溶けていた身体が一気に大きく開かれて、再び目の前に閃光が走ったかのようにチカチカした。
しだいに振り子のように、リズミカルに身体を揺らす彼の背中に、かたく腕を巻き付け甘い快楽に酔いしれる。
「あっ、あ⋯⋯あぁっ、」
「⋯⋯さえ、っ」
――出会ったばかりの理想的な王子様。
彼の気持ちも、この先に待っている未来も。まだ何も予想がつかない。
けれども私は決めたの。
彼との“結婚”に賭けるって。幸せになりたいから。
薄れゆく意識の狭間で何度もキスを交わしながら、私たちは甘い快楽の海に沈んでゆく――。