わけあってイケメン好きをやめました
1.イケメンミュージシャンの彼
***
人の肌の体温は、どうしてこんなに心地良いのだろう。
寝返りを打ち、私の体に長い腕を巻き付けて眠る彼の顔に、カーテンの隙間から差し込む朝陽がほんのり当たっている。
うちのベッドはシングルだから、ふたりで寝るには狭い。
大きなベッドに買い替えようかと考えたりもしたが、住んでいる部屋が狭い上、彼が泊まりに来るのは毎日ではないので非現実的だ。
「ん……もう朝か?」
彼氏である利樹が目を覚ましたようで、寝ぼけながら言葉を発した。
「利樹、おはよう」
「おはよ。今何時?」
明るく染められた利樹の長い前髪が、ふわりと私の頬にかかった。柔らかい髪質で猫みたいだ。
なのに整えられた眉と切れ長の瞳は男らしくてカッコいい。
「もうすぐ十時かな」
「けっこう寝たな」
利樹はけだるそうに上半身を起こし、あくびをしながら自分のスマホをチェックする。
ほどよく筋肉の付いた広い肩幅の背中を目にし、私はその裸体にうっとりとした。
人の肌の体温は、どうしてこんなに心地良いのだろう。
寝返りを打ち、私の体に長い腕を巻き付けて眠る彼の顔に、カーテンの隙間から差し込む朝陽がほんのり当たっている。
うちのベッドはシングルだから、ふたりで寝るには狭い。
大きなベッドに買い替えようかと考えたりもしたが、住んでいる部屋が狭い上、彼が泊まりに来るのは毎日ではないので非現実的だ。
「ん……もう朝か?」
彼氏である利樹が目を覚ましたようで、寝ぼけながら言葉を発した。
「利樹、おはよう」
「おはよ。今何時?」
明るく染められた利樹の長い前髪が、ふわりと私の頬にかかった。柔らかい髪質で猫みたいだ。
なのに整えられた眉と切れ長の瞳は男らしくてカッコいい。
「もうすぐ十時かな」
「けっこう寝たな」
利樹はけだるそうに上半身を起こし、あくびをしながら自分のスマホをチェックする。
ほどよく筋肉の付いた広い肩幅の背中を目にし、私はその裸体にうっとりとした。
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