わけあってイケメン好きをやめました
「虹磨さんとは恋人じゃなく、美和さんがフリーなら、俺にもチャンスほしいってずっと思ってたんです。なかなか近づけなかったですけど……」

「や、やだなぁ。今の言い方だと、まるで徹平くんが私を好きみたいじゃない。からかわないでよ、お姉さん勘違いしちゃう!」


 目いっぱい茶化して笑ってみたら、徹平くんの顔がさみしそうに曇った。失敗しただろうか。


「“お姉さん”とか言って距離を作らないでください。俺と歳はひとつしか違わないですよ。同い年みたいなもんです」

「……そう、だね」

「それに、からかってないし勘違いではないので」


 心臓がドキッと思いきり跳ね上がった。彼がはっきりとした意味を示してそう言ったからだ。



 ふたりとも飲み物がなくなり、自然と席を立ってカフェを出た。
 駅に続く裏通りを並んで歩く。徹平くんがこんなに背が高かったなんて、大学時代には意識していなかったな。

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