わけあってイケメン好きをやめました

 絢音の唇に指で触れると、ぷるんと弾き返される。
 それが俺の色欲をそそり、気がつけば彼女の腰を抱きながら唇を重ねていた。


「あの、虹磨さん、器材を見せてもらってもいいですか? 私には珍しくて……」

「ん? いくらでもイジっていいよ。でもあとでな」


 ドキドキしているせいか挙動不審になっているかわいい絢音の手を引いて、俺は隣の寝室の扉を開ける。


 あとで飽きるほど音楽の話をしよう。
 もちろん、俺が絢音をベッドから解放すれば、という条件付きだ。

 いや、それは今夜は無理かもしれないな。
 
 ずっと朝まで腕の中に閉じ込めておきたいのだから。




――― Fin.

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