わけあってイケメン好きをやめました
2.バイトの誘い
***

 早いもので、利樹と別れてから三ヶ月が過ぎた。
 あれから互いに一切連絡しておらず、私たちの関係は完全に切れた。

 別れたあと、私の部屋にあった彼に関する物をすべて処分した。
 彼が残していった着替えや使っていたタオル、ハブラシなどをまとめてゴミに出し、寝室の枕やシーツも買い替えた。

 スマホの中の写真も全削除だ。思い出ごと捨ててしまうような気持ちになったが、忘れるにはそれが一番早い。

 写真を消すのは辛かったけれど、思い切って早々に実行したのは、よくやったと自分を褒めたい。

 好きな音楽を聴いたりバイトに励んだりして、日常を過ごしているうちに、私の心の傷は少しずつ癒えてきていた。

 これで来春から仕事が決まれば万々歳だったけれど、就職のほうはなかなかうまくいきそうにない。
 今年ももう十二月だ。面接は受けているが撃沈続きで、四月までに内定はもらえないかもしれない。

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