わけあってイケメン好きをやめました
「絢音ちゃん、ホットカフェオレちょうだい」
バイト先のカフェに客としてふらりと現れたのは、近くの会社で働いているという堤 美和さんだ。
「今日の絢音ちゃんは顔が暗いね。どうしたの?」
美和さんはこのお店に毎日のように来てくれる常連なので、バイト歴の長い私とも顔見知りの域を超えて、今では世間話をする仲になっている。
「もしかしてまた元カレのこと? “RED PURPLE”のボーカルの!」
「美和さん、固有名詞出すには声が大きいですってば」
「あ、ごめん」
あまり売れていないとはいえ、利樹のバンド名をはっきりと口にされた私は咄嗟にうろたえてしまった。
気を取り直し、テーブル席に座ってタブレットをいじる彼女にカフェオレを持って行くと、「さっきはごめんね」ともう一度美和さんが謝った。
「大丈夫です。元カレとは今はもう全然関係ないので」
「そうなのね。あのバンド、新しい事務所とうまくいってないらしいわ」
バイト先のカフェに客としてふらりと現れたのは、近くの会社で働いているという堤 美和さんだ。
「今日の絢音ちゃんは顔が暗いね。どうしたの?」
美和さんはこのお店に毎日のように来てくれる常連なので、バイト歴の長い私とも顔見知りの域を超えて、今では世間話をする仲になっている。
「もしかしてまた元カレのこと? “RED PURPLE”のボーカルの!」
「美和さん、固有名詞出すには声が大きいですってば」
「あ、ごめん」
あまり売れていないとはいえ、利樹のバンド名をはっきりと口にされた私は咄嗟にうろたえてしまった。
気を取り直し、テーブル席に座ってタブレットをいじる彼女にカフェオレを持って行くと、「さっきはごめんね」ともう一度美和さんが謝った。
「大丈夫です。元カレとは今はもう全然関係ないので」
「そうなのね。あのバンド、新しい事務所とうまくいってないらしいわ」