わけあってイケメン好きをやめました
弾き語りをしている動画を撮って、動画投稿サイトにアップしてみたら、上手だと褒めてくれる人もいてうれしかった。
私自身は再生回数なんかは気にしていなくて、誰か見てくれる人がいたらいいな……くらいの軽い気持ちだったのだけれど。
なぜかそのサイトの“おすすめ動画”に載ってしまい、そこから一気に再生回数が増えたのだ。
DMもたくさん来て、中には気味の悪いものもあったので、届かないように設定を変えた。
読まずに削除した中に美和さんからのメッセージもあったみたいだ。
どうしよう、今さら私だと名乗り出られない。
別に悪い事をしているわけではないけれど、なんだか怖くなってきた。
せっかくバズったのだからと動画をそのまま放置していたが、今夜にでもそっと削除しよう。いや、アカウントも丸ごと全削除だ。
あれが私だと知っているのは円香だけだし、動画に映っているのはギターを弾いている手元だけなので、消してしまえば今後誰かにバレることもない。
しばらくするとふたりが席を立ち、会計を済ませるためにレジまでやってきた。
「これ、俺の名刺」
虹磨さんが会計のあとに、私に名刺を差し出した。
私自身は再生回数なんかは気にしていなくて、誰か見てくれる人がいたらいいな……くらいの軽い気持ちだったのだけれど。
なぜかそのサイトの“おすすめ動画”に載ってしまい、そこから一気に再生回数が増えたのだ。
DMもたくさん来て、中には気味の悪いものもあったので、届かないように設定を変えた。
読まずに削除した中に美和さんからのメッセージもあったみたいだ。
どうしよう、今さら私だと名乗り出られない。
別に悪い事をしているわけではないけれど、なんだか怖くなってきた。
せっかくバズったのだからと動画をそのまま放置していたが、今夜にでもそっと削除しよう。いや、アカウントも丸ごと全削除だ。
あれが私だと知っているのは円香だけだし、動画に映っているのはギターを弾いている手元だけなので、消してしまえば今後誰かにバレることもない。
しばらくするとふたりが席を立ち、会計を済ませるためにレジまでやってきた。
「これ、俺の名刺」
虹磨さんが会計のあとに、私に名刺を差し出した。