わけあってイケメン好きをやめました
「虹磨さんって前からうちのカフェに来てましたけど、まさか会社の社長だなんて思いもしませんでした」
「あはは。ごめんね。“社長”って呼ぶと嫌がるのよ。だからみんな“虹磨さん”なの」
美和さんは綺麗な顔で笑い、程なくして運ばれてきたクラブハウスサンドを頬張り始めた。
「美和さんは一番頼りにされてますね」
「あの人、クリエイターの部分が強いから、フォローする人間が周りに必要なのよ」
虹磨さんは社長業よりも自分でなにかプロデュースして作り上げる仕事が好きなのだそうだ。
クリエイター気質であればあるほど、細かい雑務はほかのスタッフ任せなのだろう。
まだ数回しか耳にしてはいないものの、私は虹磨さんが「堤!」と呼んでいる光景が何気に好きだ。
美和さんがそれに対して、「はい」と素直に返事をしている場面は、ついぞ見たことがないけれど、ふたりが信頼しあっているのは見ていればわかる。
「もしかして付き合ってます?」
私がそう尋ねると、美和さんはあからさまに嫌そうに眉根を寄せた。
「よく勘違いされるけど、それはない!」
「あはは。ごめんね。“社長”って呼ぶと嫌がるのよ。だからみんな“虹磨さん”なの」
美和さんは綺麗な顔で笑い、程なくして運ばれてきたクラブハウスサンドを頬張り始めた。
「美和さんは一番頼りにされてますね」
「あの人、クリエイターの部分が強いから、フォローする人間が周りに必要なのよ」
虹磨さんは社長業よりも自分でなにかプロデュースして作り上げる仕事が好きなのだそうだ。
クリエイター気質であればあるほど、細かい雑務はほかのスタッフ任せなのだろう。
まだ数回しか耳にしてはいないものの、私は虹磨さんが「堤!」と呼んでいる光景が何気に好きだ。
美和さんがそれに対して、「はい」と素直に返事をしている場面は、ついぞ見たことがないけれど、ふたりが信頼しあっているのは見ていればわかる。
「もしかして付き合ってます?」
私がそう尋ねると、美和さんはあからさまに嫌そうに眉根を寄せた。
「よく勘違いされるけど、それはない!」