わけあってイケメン好きをやめました
「なんかさぁ……そんな気はしてたんだよね」
円香が器に取り分けた鍋の具材を口に運びながら、あきれたような顔をした。
「え、なにが?」
「虹磨さんってイケメンなんでしょ? その上、大和に雪哉まで! イケメン祭りじゃないの」
円香の言うとおりだ。今は慣れたけれど、最初のころは三人揃うとキラキラ輝きすぎて目が痛いくらいだったのを思い出す。
「あの最低な元カレと別れたとき、私になんて言ったか覚えてる? 『イケメンにはもう惹かれない! 次はやさしそうで浮気しない人を選ぶ!』って宣言してたよね?」
「はい、覚えております」
バツが悪くて思わず肩をすくめた。
あのときは、綺麗な顔なんかに騙されずに私を傷つけない堅実な人を選ぶのだと、そう固く決心したのに。
「だけど結局イケメンを選ぶんだよ。ま、絢音らしいけどね。最悪な別れ方だけはしないように祈ってる」
円香の最後の言葉が引っかかり、私は持っていた箸をおもむろに置いた。
「別れるもなにも、付き合ってはいない……かな」
「……は? なにそれ、意味わかんない。絢音は虹磨さんが好きだし、キスは向こうからしてきたんでしょ?」
「そうだけど……」
円香が器に取り分けた鍋の具材を口に運びながら、あきれたような顔をした。
「え、なにが?」
「虹磨さんってイケメンなんでしょ? その上、大和に雪哉まで! イケメン祭りじゃないの」
円香の言うとおりだ。今は慣れたけれど、最初のころは三人揃うとキラキラ輝きすぎて目が痛いくらいだったのを思い出す。
「あの最低な元カレと別れたとき、私になんて言ったか覚えてる? 『イケメンにはもう惹かれない! 次はやさしそうで浮気しない人を選ぶ!』って宣言してたよね?」
「はい、覚えております」
バツが悪くて思わず肩をすくめた。
あのときは、綺麗な顔なんかに騙されずに私を傷つけない堅実な人を選ぶのだと、そう固く決心したのに。
「だけど結局イケメンを選ぶんだよ。ま、絢音らしいけどね。最悪な別れ方だけはしないように祈ってる」
円香の最後の言葉が引っかかり、私は持っていた箸をおもむろに置いた。
「別れるもなにも、付き合ってはいない……かな」
「……は? なにそれ、意味わかんない。絢音は虹磨さんが好きだし、キスは向こうからしてきたんでしょ?」
「そうだけど……」