愛して、芹沢さん
伊織の笑った顔…久しぶりに見た。





その笑顔がずっと好きだったんだよね。



伊織の笑った顔見たさに、あの頃は必死だった。





「莉央…ごめんな。いっぱい傷つけて」


「……」


「俺、あの日…嘘、ついたんだ」


「嘘?、___」





「片丘さん、気分はどうですか?先生からお話しがあるみたいなんですけど、聞けそうですか?」




あの日、伊織がついた嘘…



あの日のことを聞き終えたと同時に、さっきの看護師さんが顔を覗かせた。




「はい、もう大丈夫です。莉央はもうほんとに帰ってていいから。また連絡する。今日はありがとな」



と個室にわたしを残し、歩いて行った。
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