愛して、芹沢さん
「莉央ちゃんのことなら本気だよ。僕が守りたいと思ってる」



そう言ってくれた芹沢さんに胸が高鳴る。





「へ〜…莉央は?この人のこと好きなの?」



伊織からの刺さるような視線が痛い。



「…好き、だよ」


「は?彼氏っておっさんじゃん!あんた、莉央のこと騙してんじゃないの?だとしたら、許さないんだけど」




今にも飛びかかりそうな伊織にヒヤヒヤ。



なのに、芹沢さんは相変わらず冷静というか…平然。




「悪いけど、莉央ちゃんを君に返すつもりはないよ。こんなこと大人気ないかもしれないけど、君よりは確実に幸せにできる自信があるし、莉央ちゃんを思う気持ちも負けてるつもりはない」


「っ……んだよそれっ。…俺、莉央のこと諦めるつもりないんで。いつでも奪ってやりますよ」


「奪えるものならね?でも、莉央ちゃんを困らせることだけはしないでほしい。君の後悔に莉央ちゃんを利用しないであげて?」


「っ……」
< 214 / 483 >

この作品をシェア

pagetop