愛して、芹沢さん
なんて言われたら行くしかない。



「はい」




照れたように返事をすると、芹沢さんは笑顔を向けてくれた。



マンションに着き、ゆっくりしていると、珍しく芹沢さんのほうから伊織の話題を振られた。






「さっきの子、伊織くん?だっけ」


「はい」


「莉央ちゃんの元カレって言ってたよね?」


「…はい。でも、正直なところ、元カレと言えるほどの期間は付き合ってないんです。伊織とは幼稚園からの幼馴染で、元カレと言うよりは幼馴染と言ったほうがしっくりきます」



「幼馴染か〜…僕には幼馴染という存在がないから羨ましいな」





と芹沢さんはコーヒーを飲みながら笑う。




「莉央ちゃんさえよければ、伊織くんの話し聞かせてもらえないかな?」


「え?、___」
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