愛して、芹沢さん
なのに、伊織は覚えていた。



後悔という言葉を口にした。


本当に自分勝手すぎるよ、伊織…。







「その言葉の理由は聞かなかったの?」



ある程度話し終えると、やっと芹沢さんの声がした。




「聞きました。というより、聞かされました…さっき病院で」


「…理由はなんだったの?」




理由…、___



「それは……わたしを守る為でした」


「莉央ちゃんを守る為?」


「はい。中学3年の頃の伊織のモテ具合は一番のピークでした。そんな伊織の彼女がわたしで、伊織を思う子は気に食わなかったんだと思います」


「それって…」


「別れないとわたしに嫌がらせをするって女の子たちに言われていたみたいで…それであんなことに」
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