愛して、芹沢さん
伊織のことはもう過去。




あれが伊織の優しさだと知っても、わたしの気持ちが伊織に向くことなんてない。



今でも芹沢さんだけが好き…大好きなのにっ。





「伊織に気持ちが戻っても、芹沢さんはどうってことないんですね」


「…莉央ちゃん…僕はそんなつもりで言ったんじゃないよ」


「じゃ、どんなつもりで言ったんですか?…時々、芹沢さんの考えや思い方が大人過ぎてついていけなくなります…。それでも必死に追いつこうとするけど…芹沢さんの存在はすごく遠いです」






特に今のような時は、かなり距離を感じる。



芹沢さんを思う気持ちがあまりにも重すぎて、前に進めずにいるのかもしれない。





「…僕だって必死だよ…」



コーヒーカップをテーブルに置くと、ソファに座るわたしの隣に座った。
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