愛して、芹沢さん
やっぱり芹沢さんの気持ちはその程度だったんだ。



「っ……芹沢さんのバカ…」



泣きながら歩くわたしの姿は周りから見れば悲惨だろうな。




視線がかなり痛いけど、それを気にできるほど今は余裕もない。





「っ……ぅ…」




街から離れたところにある小さな公園まで来ると、古びたベンチに腰掛けた。





これからどうしよう?…



これまで芹沢さんが全てだったから…




何をするにも、頭の中は芹沢さんでいっぱいで…


芹沢さんの存在がどれだけ大きかったのか、こうなって改めて気づかされる。




なのに…芹沢さんの中でわたしはどんな存在だったんだろう?…



大事にされて、愛されてる……そう思ってたんだけどな。
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