愛して、芹沢さん
嫌がる理由が見つからないのは、わたしも芹沢さんを求めているから。



「ね、莉央ちゃん」





少し距離を取った芹沢さんと目が合う。



それだけでもう…気持ちが…いっぱい。




「僕の最後のわがまま聞いてくれる?」


「…な、何ですか?」


「今日だけ…莉央ちゃんの時間を僕に欲しい」


「……」


「ダメ…?」





芹沢さんの瞳が問いかけてくる。





「…わかりました」


「うん、ありがとう。じゃ、どうしよっか?どこか行きたいところある?食べたいものとか、欲しいものとか!」


「……ふふふっ。何もいらないです。それに芹沢さんを外に出す気はないので」


「そっか…」





なんとも芹沢さんらしい。
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