愛して、芹沢さん
「あの〜…視線を感じるんですけど…」


「ごめんごめん、つい」


「どうしてそんなに見るんですか?」


「ん〜見ていたいから?かな。……莉央ちゃんの旦那さんになる人は幸せだろうな〜って思ってさ」





と微笑む芹沢さんの笑顔の中に紛れる悲しそうな表情。






そんな顔、見せないで。




芹沢さんから視線をそらし、お盆の上に肉じゃがたちを並べていく。






『本当は僕が旦那さんになりたかったんだけどな…』

芹沢さんの声は聞こえなかった。






それからは、他愛のない会話をして過ごした。



少しして芹沢さんがお風呂に立ったタイミングでインターホンが鳴った。
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