愛して、芹沢さん
「そ。理一の気持ちはよくわかった。でも、こうなったらパパが許さないと思うけど?」




と開き直る未緒さん。





パパ…とは?



「僕は構わない。会社がダメになっても、また一からやり直すだけだから。だけど…莉央ちゃんにだけは手出しさせない。もし手出ししたら、その時は本当に許さない」


「っ………なんでそこまで…?」


「莉央ちゃんは僕たちとは違うんだよ」


「違う?って何が?」


「心が綺麗なんだ。それって、僕にも未緒にもないでしょ?無い物ねだりって言い方は変だけど、そういうところに惚れたんだと思う」





そう言った芹沢さんと目が合うと、優しく微笑んでくれた。





芹沢さんがわたしを好きになってくれた理由、___





だけど、そんなことない。



わたしは心が綺麗なんかじゃない。





だって、目の前に座る未緒さんが憎くてたまらない。



心が綺麗な人はそんな気持ちにならないよね?
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