愛して、芹沢さん
「っ……」


相手の顔を見るなり、思わず息を飲む。




だって、こんなかっこいい男性は見たことない。



「大丈夫?」



見惚れていると、心配そうな顔と声が。



「あ、わたしは大丈夫ですっ。それより弁償を…」



見惚れている場合ではない。



踏んで壊してしまった眼鏡を弁償しないと。




「ほんとに弁償なんていいよ。気にしないで?」


「でもっ…」


それじゃ、わたしの気が済まないというか…。



今はよくても後から、なんてこともあるかもしれない。



「ん〜じゃ、ちょっと付き合ってくれる?」


「へっ?」




思わず変な声がもれる。



そんなわたしに優しく笑いかける彼にドキドキしてくる。
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