愛して、芹沢さん
あの日のこと、忘れたわけじゃないよね?

伊織の瞳にそう問いかける。



「相変わらずだけど、また一段と可愛くなったんじゃない?彼氏は?」


どうして平気でそういうことが言えるの?



伊織はいつもそう。


「んーこの感じだと彼氏はいなさそうだな?」


ある程度、部屋内を見渡すとそう言った。



「彼氏なんて…作らないからっ」


「ふ〜ん」



もう何しに来たの?


伊織と話すことなんてないのに。

どうしていつもそうやって心を乱すの?



伊織の目的はなに?、___


「い、伊織…わたしこれから用事があるから…今日はもう帰って」



精一杯の嘘。
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