愛して、芹沢さん
「伊織、ちょっと待ってて。すぐ戻るから」



そう言い残し、玄関を飛び出してエントランスまで走った。


「芹沢さんっ、こんにちは」


「莉央ちゃん、居たんだ?応答なかったから留守かと思ってた」


「あ、すみません」




伊織がいるから、応答できなかった。


それよりどうして…?

タイミングはちょっと悪かったけど、芹沢さんに会えて嬉しい。



今日の芹沢さんもスーツ姿がよく似合っててかっこいい。


会いに来てくれたと思うと、自然とニヤけてしまうから要注意。



「ごめんね?勝手に押しかけて。莉央ちゃんに会いたくて、我慢できなかった」


「っ…」




そうだった。


芹沢さんはこういうことをサラッと言える人なんだった。
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