愛して、芹沢さん
っていうのも『着いて行ってあげようか?』なんて言ってくれるとは思わなかったから。


風ちゃんの優しさに胸が熱くなる。



だけど、熱くなったのはほんの一瞬だけ。


「でも、りっくんって社長さんで金持ちで、そんでもってイケメンなんだよね?」


「う、うん…それがどうかした?」


「いや、りっくんに限ってこれはあり得ないと思うんだけど…りっくんの肩書きに寄ってくる女は山ほどいるだろうな〜って」



芹沢さんの肩書き?




「風太、何が言いたいの?芹沢さんが浮気してるとでも言いたいわけ?」


う、浮気!?



柑奈の言葉が頭の中をグルグル回り始める。


「バカ柑奈!なんでもっとこう…オブラートに包んで言えないんだよっ。…莉央、大丈夫?」




風ちゃんはそう言ったけど、オブラートに包んで言ってくれたとしても、結果は同じ。


「だ、大丈夫」
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