地味子な私が猫被りな御曹司と無表情な同級生にに溺愛されています。2
私は油断していた。
時雨くんが近くに居るから大丈夫という気持ちと時雨くんへの気持ちを考えていて。
「っ!」
私は後ろから白鷺さんに口を押さえられた。
どうしよう…。
時雨くんは梅雨くんと睨み合っていてこのことに気づいていない。
私がどうにかしないと…。
そう思っていると白鷺さんが私の耳元に口を近づけた。
『いい?音を出さずに私に着いてきなさい。もしもあの男にバレるようなことをしたらあんたの命は無いわ。もちろんあの男もね。』
そう耳元で小さな声で言われて私は頭を上下に振った。
私が頷いたのが分かると白鷺さんは手を離して付いてこいと言うように顎を動かしてこの場から離れていく。
私は時雨くんを傷つけたくない一心で付いていった。
それが作戦だと気づかずに。
白鷺さんについて行くとそこは階段があり二階へと続いていた。
白鷺さんが上がっていくため私もついていく。
そこには一つの扉があった。
白鷺さんはドアを開けてどんどん中に進む。
私も中に入る。
部屋の中には二つのソファーと小さな机、棚、あと小さな写真立てがあった。
「座りなさいよ。」
白鷺さんはソファーに座ると私に睨みながらそう言った。
「は、はい。」
私は白鷺さんの前にあるソファーに座り向かい合う形になる。