地味子な私が猫被りな御曹司と無表情な同級生にに溺愛されています。2

「単刀直入に聞くわ。あなたアイツのこと好きなの?」

「っ!え…あ…」

私はそう聞かれて顔が赤くなってしまった。

「…なんで?」

白鷺さんは辛そうな悲しそうな顔で私に聞いた。

「瑠斗さんがいてなんでアイツなの?瑠斗さんがいて…なんでアイツなの?」

白鷺さんの言葉は私の胸に深く刺さった。

な…んで?

確かに瑠斗さんは私に優しくしてくれた。かっこよくて優しくて私には勿体ないぐらい…。

でも…

「……時雨くんが…助けてくれたんです。」

私のことを一番に助けてくれたのはいつも時雨くんだった。

「時雨くんにはこの気持ちを伝えようとは思っていません。私には勿体ないぐらい素敵な瑠斗さんがいます。」

もし婚約がなかったとしても告白する勇気なんてない。

時雨くんにはもっと可愛くて素敵な人がお似合いだもん。

そもそも時雨くんは私のことなんて好きじゃないし。

私が………彼の隣にいる未来はどうやったってない。


「…な…によそれ!瑠斗さんが!瑠斗さんが貴方を選んだのよ!?それほど幸せなことがあってなんで?意味分かんないわよ!」

白鷺さんは机をドンッと叩いて言った。

…きっと白鷺さんには瑠斗さんが全てなんだ。

辛いときに優しくしてくれたのが瑠斗さんで、そんな彼に軽く依存してしまっているんだ。

「私が好きなのは時雨くんなんです。瑠斗さんじゃ…ダメなんです。」

どんなに瑠斗さんが素敵な人でも、私が求めているのは時雨くん。

でもこの気持ちはダメな気持ちだから。




絶対にバレてはダメ。


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