地味子な私が猫被りな御曹司と無表情な同級生にに溺愛されています。2
「…ちーくん、凛ちゃん!私、早退する!」
涙を制服で拭いて急いで立ち上がる。
「え…真彩!?」
「今…ちーくんって…」
「ごめん、先生に伝えてて!」
「っ…ちょっと、待てよっ…」
私がカバンを持って廊下を出るとちーくんも追いかけてくる。
「待てって!」
バッと腕を掴まれてその場に止まる。
「なに…?お願い、行かなきゃ…」
「…決めたのか?自分に気持ちを…」
「…うん。」
私はちーくんの目を見る。
「欲張ることにした!」
ニコッと笑ってそう言うと、ちーくんは私の肩を掴んで私が向かう方向に体を向けてくれた。
「よしっ。行ってこい!」
かるく背中を押されてその勢いで一歩踏み出す。
そのまま私は止まらず走る。
ありがと、ちーくん…背中を押してくれて。