地味子な私が猫被りな御曹司と無表情な同級生にに溺愛されています。2
「あの…梅雨くん…なんで─」
私が聞こうとしたときだった。
後ろからグッと引っ張られた。
「きゃぁっ!」
私は勢いに身を任せて後ろに倒れ込んだ。
痛くない?
私が目を開けると何故が時雨くんの腕の中にいた。
…え?え?
私は突然のことで頭が真っ白になった。
「…もう起きたの?おはよう時雨。」
梅雨くんがにっこり笑ってそう言った。
「っ!時雨くんっ!」
私は体の向きを変えて時雨くんの体に抱きついた。
「…真彩、ごめんな。」
「え?」
何のこと?
「どうするの時雨。時雨の選択次第だけど…。」
選択?
私は二人の会話についていけなかった。
「……梅雨の言う通りにする。」
「だよね~!じゃあ、真彩ちゃんは帰っていいよ~。倉庫のドアからでたら車止めてるから。それに乗ってね。家まで送ってもらえるから~。」
帰る?私1人で?
「し、時雨くんは?一緒に帰らないの?」
私はジッと時雨くんを見つめた。
「…1人で帰れるだろ。」
時雨くんは私からすぐに目を逸らして冷たくそう言い放った。
っ!
私は胸が苦しくなって目に涙が溜まった。
「……うん。」
私はグッとこらえて倉庫の扉から外に出た。