ひととせと、マタタビ
「――どうしたら汐桜の隣にいられますか」
「っあ、明日になれば!」
奏多はこの二日で少し変わった。
顔に出るから何を考えてるのか分かりやすかったけど、それが口にも出るようになった。
その言葉が全部響いて頭から離れてくれない。
「二人でがいい。一人で抱え込んで、元気ない顔してる汐桜は見たくない。
俺なら絶対大丈夫だよ、だから話してほしい」
敵わない。
降参ですごめんなさい、と心の中で誰なのかも分からないナニカに謝る。
ナニカっていうのは、
「…占い」
「え?」
「テレビの占いで、想い人に三日以内に災いが訪れるでしょうって。
言えばまた災い、触れれば起こりうるであろう。ってアドバイスがあったの。
神様がじーっと見ていますって」
「……カミサマ」
「奏多くん神様知らないの?」
「…はあーーーーー」
頭を抱えて、長い長いため息をついた奏多は、
私に手を伸ばして抱きしめる。
「ふ、触れれば起こりうる!」
「大丈夫、俺神様と友だち」
「!? うそ!」
「嘘。その前に占いの事俺に言った時点でアウトでしょ
それ星座占い?その占いが本当だったらどれだけの人死ぬと思ってるの。」
随分ハードな占い見てるね、なんて言いながら奏多の顔が近づいてくる。
「汐桜、また明日からもバイバイのキスしてくれる?」
「…今日からしたげる」