ひととせと、マタタビ



歩いてから数秒で公園に着く。
近くで助かったな。元気だとしても、さすがにたくさん歩かせるわけにもいかないし。






「…夏の太陽が眩しいからじゃないですか、今先輩の目もキラキラしてます
はい、傷のとこ洗ってください。ばんそうこうとかは持ってるので」





「回答のタイムラグすごいね?」









「――なんでこんなに用意いいの?ばんそうこうならまだしも、普通消毒液なんて持ち歩いてなくない?女子高生って皆こう?」





ドキ。






理由、なんて言えるわけが無い。








先輩がその理由なんだから。








あの歩きながら寝ていた姿を見てからどうしても心配になって、またあの人に何かあったらの為に手当てがいつでも出来るようにと準備していた。







本当に使うことになるなんて思っていなかったけれど。







「…普通です。
女子高生の最先端は消毒液ですよ、覚えておいてください」





嘘をついて何とかその場を凌ぐ。






手当てが終わり、傷も深くなく小さかったので跡にもならなそうなくらいだった。


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