ひととせと、マタタビ
スキナヒト
「―――そしたらその俺の友達がいきなりコートに飛び出しておっきい声で告白してさ」
「わ、それ私も見てました。とっても素敵でした!そういうことだったんですね」
「はは、いいよね高校生って感じで」
一緒に帰るようになってから一ヶ月。夏休みを挟んでもこの関係は続いた。
前ほどは緊張しなくなったし、少し笑えるようにもなった。
いつの間にか、先輩と帰るのが当たり前になっていた。
「織先輩はいないんですか、高校生らしいことするような相手」
「いるよ」
なんのためらいもせず、そう答えた。
今日の朝ごはん何だった? パンだよ
くらいの即答。
へえ、いるんだ。てっきり私は……
「したんですか?告白」
「はは、してない
聞いてよ心釉、俺の好きな子の好きなとこ」
「…いいですよ」