ひととせと、マタタビ
「…早く言っちゃえばいいのに」
「タイミング見てる最中。
心釉、彼女できても一緒に帰ってくれる?」
「駄目に決まってるじゃないですか
そんな事言う人は世界中の女の敵です……あ、先輩そこ段差あります、よ」
ドタッ
まただ、一緒に帰り始めてからこれで何度目だろう。
同じ通学路のはずなのにどうして?
「前を!下を!見てくださいってば!」
「心釉に見とれてた」
「冗談言うとこじゃないんです!」
膝は少し赤くなっただけで無傷だった。転びすぎて膝に抗体ができたのでは。