ひととせと、マタタビ
なのに昨日は違った。
俺が着く頃には準備も全て終えてテレビに食いついていた。
一緒に登校するようになってから初めてのことで、唯さんも「明日世界が終わる」と恐怖していたくらいだ。
――結果、その数時間後に終わったのは俺たちの関係だったんだけど。
「どうしたの汐桜、今日早くない?」
「…悪夢?」
そういえば、会話も成り立たなかった。
細かくいうと、放課後、別れを告げられる十分前までは普通だった。