ひととせと、マタタビ



―――ちがう、違うんだよ影璃。





私たちこれからどうするんだろう。
もちろん、私が卒業するまではいろいろ我慢するけど。でも、卒業したら?





離れ離れになるのかな……結婚、だとか考えてくれてるのかな。






こういう将来の話はしたことがない。私がまだ高校一年生だから、子供だから、早いって思ってるのかもしれないけれど。






影璃は大人で私は子供。だから私にはいつも余裕がない。







ずっと一緒にいられるのかな









「――確かに、なんでも言葉にしてくれる人だと安心するよね」





わかるわかる!って激しく頷く心釉。





私たち行きつけの喫茶店にて昨日の事を話した。ここは私の家の近くの裏道にあるので、同じ学校の人が来るのは知る限り見たことがない。






先生と付き合っていることは心釉にだけ伝えてある。






「影璃先生、何考えてるんだろうね?
私より光理のほうが先生の事よく知ってるから、言えることって少ないんだけど…とりあえずちゃんと話し合った方がいいよ光理。
光理にこんな顔させてる先生、私は許せないんだけど!」





頬をふくらませた心釉は五割増でカワイイ。沈んだ気持ちがほんの少しだけ回復した。





「ところで心釉たちは順調?」




「…最近は電柱より郵便ポストが多いかな、流血しないからいいのかも」




「いつ聞いてもよく分からない」


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