ひととせと、マタタビ
私の作ったものは残さず食べるスタンスな影璃。
たとえ五人分の料理が出来てしまっても「光理が作ったんだからこれはもはや光理…」と言って、影璃のお腹が悲鳴をあげても食べてくれる。
あ、プレゼントも買いに行かないと。
「とびっきりのオシャレして来てね。いや、いつもの部屋着の光理も可愛いけど」
「影璃の部屋なのにオシャレするの…」
ガラッ
「影璃いる?冬休みの図書委員の活動日なんだけどさー」
「センセ、今年も目が死んでたね!来年は熱血教師目指してがんばろ!ではサラバ!!」
「もう先生の生気を削らないでね」
人の声が図書室に響いた瞬間、握られていた手を離して今度は私が両手で握る。
光は影に、影は光に。
基本的に私たちは共に器用なのだろう。
図書室を出て昇降口に向かいながら、私はクリスマスのことで頭がいっぱいだった。