ひととせと、マタタビ
「――今日からは四月の新入生歓迎会の時に踊る曲決めて、練習していくよー」
最近の私の口癖は「寒い」「疲れた」「糖分」
今までは端で踊っていたものの、三年生がこの前の大会で引退して、さらに二年生の部員はもともと少ない。
センターの横のポジションなんて初めてで、もう疲れでドロドロに溶けてしまいそうだ。
こんなに激しい振り付けだなんて聞いてない。
KPOPなんて、聴かないし…
「バテ光理ちゃん発見!お疲れ様、ほらチョコあげるよ。糖分糖分って言ってたから」
「うう緋色(ひいろ)、サンキュウありがとう謝謝〜」
人懐っこい笑顔を浮かべて私の隣に座ったのは中学からの友人、クラスは違うけれど今も仲良くしている。
「光理入った時は気だるげそうだったけど、最近頑張ってるよね!ダンス楽しくなってきた?」
「んー、楽しいっていうか…」
『光理ダンス部だったんだ、教えてくれれば良かったのに。
ちょー可愛かった、綺麗だった。光理にしか目がいかなくて困った困った。もっと光理の踊ったとこ見たい』
『…ふーん』