ひととせと、マタタビ
「私のファンがいるから、かな」
によによしている緋色が視界に入る。察しのいい彼女には何かが伝わったみたいだ。
ちなみに緋色は初恋がまだらしく、彼女の口癖は「この人が好きかもしれない」。
「お顔が赤いですなあ?光理のそういう話聞きたいなあ?」
「そろそろ休憩終わりそうだしもーどろっと」
「逃げた!」
影璃に可愛いところ見せたくて頑張ってる、なんて誰にも言えない。
ピコンと音がしてスマホを開く
“ケーキ買って帰るね、今日もチーズケーキをご所望ですか?”
“ウム”
“部活頑張って
外寒いから暖かくして帰るんだよ”
キュキュキュン
早く帰りたいな。