ひととせと、マタタビ
「光理に似合うだろうって思って。俺といる時の光理、月みたいだから。
雑誌で見た瞬間、あ、これだってなった」
学校では太陽みたいに眩しいけどなー、って優しく頭を撫でる。
二人でつけ合いっこをして写真に収める。
…これもこれでアリだな。男女兼用でよかった。
「はい光理、もう一つプレゼント」
受け取ったのはブレスレットの箱よりも大きな箱。
「…わあ!可愛い!」
入っていたのはファーの付いたショートブーツ。影璃が選んでくれたことだけで十分嬉しいのに、私の好みすぎてびっくりした。
「今日のその可愛い服にちょうど合うね
じゃ、行こっか」
立ち上がって奥の部屋に向かった影璃。
…酔ってる?あれ、影くんお酒なんて飲んでたかな
数分後、戻ってきた影璃は黒いコートを羽織って、私があげたマフラーも巻いていた。
手には私が着てきたコート。
…え、本当に行くの?何処に?外?
抱きかかえるように私の脇を持って立ち上がらせ、玄関に向かう。
「え、影璃!どうしたの?」
「今日は外でも影璃って呼んで。
あ、一応影くんのがいいかな、身バレ防止プラス君付け萌えるから」