ひととせと、マタタビ
少しして、あのさ、と切り出したのは影璃。
少し緊張したような表情で私を見つめた。
「―――光理が卒業したら、太陽の下でめいいっぱいデートしよ。それまで我慢させるけどごめん。
…そしたら、一緒に住んでほしい」
なんて、言った…?
「…うあ」
「え、泣く!?嘘でしょ光理!嬉しいの悲しいの!?」
影璃はこの日、私が今いちばん欲しい言葉をくれた。
不安だった気持ちがまっさらになって、嬉しさと同時に涙が溢れてくる。