ひととせと、マタタビ
「――おい影璃」
そんな嬉し涙は秒で引っ込み、横からの声に全身が固まる。まさかバレた…?
「泣かせたのか!?やっぱりお前に妹はやらない!」
「麻夜(まや)今いいとこだから。待機命令」
「いや俺お前らの為に来てんだけど!?」
影璃に話しかけたのは、私の兄だった。
「……麻夜、なにしてるの」
――帰り道は何故か三人。
麻夜は私たちの為に付いてきてくれたらしく、もしもバレてしまった時のカモフラージュ要員として来てくれた。
「そんな怒らないでください、義兄さん」
「早い早い早い、まだやめろ
じゃあ俺家戻るから。じゃあな光理、暖かくしろよ」
「うん、ありがとう麻夜」「ありがと」
「うむ、悪い気はしないな」