アクセサリーは 要りません
「私は何をしている時に、心から楽しいと思っているだろうか?」教育実習や外国人への家庭教師で人に教えていて、相手が理解した瞬間の目の輝きを見れるのは、やり甲斐も感じ楽しかった。

英語は日本人以外の人とコミュニケーションを取るための道具にすぎないと私は思っている。「笑顔で挨拶」「笑顔で話し合い」これで分かり合えない人はいないをモットーに生きてきた。私だって苦手な人もたくさんいる。でも、この2つを続けていたら、それなりには関係を築き過ごしていける。商社で、「売りたい人と買いたい人を結びつけて笑顔にする。そんな人同士を繋ぐ仕事の一端を担いたい」と思っていた。
苦手だった人が何かのきっかけで、分かり合える時がくる事もある。その瞬間が大好きなのだ。その時の道具として英語力を持っていれば、人を選ばずどこの国の人であろうが広く繋がることができる。1人でも多くの子ども達の道具を、より頑丈に、より重い道具を持たせてあげて、良い出会いの手伝いがしたい、と考えるようになった。

母からのアドバイスでも、教師という仕事は「自分と将来の家族を守る事もできる?」とも思えた。

問題は、今から書類を準備しても公立の教員採用試験には間に合わないということ(もちろん採用試験の勉強も)だった。就職課に相談したら、私立の学校をいくつか紹介してもらえた。偏差値的にも色々なレベルの学校があり、また共学や女子校もあったし、東京など関東だけでなく全国の情報があった。私が「勉強だけでなく、何かがある」と、1番興味深く感じたのがここ男子校全寮制の至誠学院だった。
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