アクセサリーは 要りません
「あ、焼けた」

呑気だ、俺の葛藤も知らないで。明日からも野猿たちの中で、こんな無防備な天然娘は大丈夫なのか?指導教員の石川っちも奥さんいるからって油断できないし。寮の若いスタッフたちもなんだかんだ言って絡んできそう。あ〜心配だ。

「ミックスピザです」

そう言ってピザカッターで切っている。ついでにそれで俺の不埒な心も切ってくれ。

「これもうまっ」

「でもトマトベースばかりでしたね。

今度は買い物の時から
もう少し考えて作りますね」

今度があるって事だよね。ウホホーイって俺が猿になってどうする。落ち着け。不埒な心を取り除きたいから早く帰りたいけれど、一緒にいたいからここにいたい。
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