アクセサリーは 要りません



え?


さっきまでのイケナイ妄想も、安心されていることへのショックも、何もかも飛んだ。彼女の両手を俺の両手で包んだ。

「また、行こう」

「うん、楽しみ」

彼女は今日1番の、花が咲いたような笑顔で頷いた。もう、これで充分。好きとかそういう言葉より、彼女のこの笑顔で心が満たされる。そりゃ、言われたらもっとうれしいけれど。

「次はいつ休み?」

俺らの学校は祝日も土曜も授業をして、祝日分を集めて11月の文化の日前後に、土日を含めて10日間秋休みがある。そうなると、通常時の教職員は勤務超過になるので、日曜以外もう1日休みがある。水曜午後は全職員会議なので、水曜以外に授業を持たない日があり、その日が休みのシフトになることが多い。俺は授業は月水金土で、火木どちらかは寮のスタッフ業務が入るので、今のところ休みの曜日は確定していない。今週は火曜が休みだ。
< 105 / 347 >

この作品をシェア

pagetop