アクセサリーは 要りません
その後直ぐの2回目のキスも、お弁当食べた後に写真を撮るって言った時のキスも、心臓はドキドキしていたけれど、嫌なことが思い浮かばないように、ただただ心を平常心にすることだけを考えていた。写真を撮るためにマスクを外した時は、封印するのに使っていたマスクを外しているような錯覚になってしまって、撮り終えた途端に直ぐ付けた。

「行ってらっしゃい」と私のマンションまで送ってくれた山口先生を見送って、部屋に帰ってきた。

いつもの癖で、手洗いうがいとアルコール消毒をしてリビングのクッションに座った。

色々な事が頭に浮かぶ、そしてそんな嫌な事が思い浮かぶ自分が嫌になる、そしてそれを封印する。そんな事を繰り返しているうちに外は暗くなってきていたようだ。真っ暗な部屋に、スマホの着信で画面が光った時には6時過ぎになっていた。
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