アクセサリーは 要りません

『俺だって』不安だよ。
でも、惠美里が優しく
笑いかけてくれる俺を、
『俺なんて』って言いたくない。
『俺だって』頑張るよ」

もう惠美里は大号泣で言葉は出なかった。俺のハンドタオルは絞れそうだ。これからもこうして離れそうになったら、ウザイぐらいに面倒くさがらずに、お互いに言葉にしていこうな。俺も言葉にしなきゃだな。話すからそのうちな。

しばらく、俺の胸で泣いて、静かになって、恐る恐る顔をあげた惠美里は俺の目を見て、

「好き」

と言った。

「俺も好きだよ」

反則だな。そんな泣き腫らして、鼻を真っ赤にして。いつもの惠美里からは、一般的には残念な顔になっているのに、俺には可愛い。もう、照れて赤いのか？泣き腫らして赤いのかも分からないほど。
誰にも見せたくない。なのにそんな可愛い事言ったら、どこかに閉じ込めるぞ？