アクセサリーは 要りません
「さ、大極殿バックに
写真撮ろっか?」

順光向きだったので、スマホのモニターの顔は反射して見えていない。だから、惠美里は自分の泣き腫らした顔には気付いていないようだ。何枚か撮って、車に向かった。後でこの写メで見たら怒るだろうな。誰にも見せない俺らの記念撮影だな。

車に戻って、助手席に惠美里を座らせ、

「俺、ソファ入るように
後ろのシート倒したりしてるから、
ここの鏡使いな」

そう言ってサンバイザー裏の鏡を出した。

「ぎゃあぁ」

「あっはっはっは、そんな声。

『きゃあ』じゃなく
『ぎゃあ』なんだ?

俺はどんな惠美里も

ううが」
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