アクセサリーは 要りません
扉を開けた私が鏡にうつっていたけれど、涙目の顔の赤さが未だ引かないスッピン、何回も「可愛い」っさっきて言ってくれたけれど、どこが可愛いのかさっぱり分からない。洗濯カゴにタオル入れて、お風呂の扉開けて、部屋に戻ってきて、電気を消してベッドに入った。

寝ようと瞼を閉じたら、さっき目を閉じた時の伊吹くんとのキスの感覚が蘇ってしまった。「ひゃっ」って思って目を開けるけれど、目を開けては眠れない。

寝なきゃ。寝なきゃ。

玄関に入ってきた伊吹くんは、タオルをかぶっていた私のタオルの中に入ってきた。慌てて出迎えていた私はマスクをし忘れていて、それを見て伊吹くんが自分のマスク外そうとしたんだっけ?でも手洗いうがいしてないって、洗面所に入っていったんだ。待っててとは言われたけれど玄関に立ってるのもなぁって思って、ソファに座った。
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