アクセサリーは 要りません
「あ、それは大丈夫っすよ。
って断った方が、宇部先生が
断りやすかったりしますか?」

「あ、いえ、残念ながら大丈夫です。

じゃあ、よろしくお願いしても
良いですか?
どういうところなんですか?」

「いくつかあるんですけれど
どうしようかなぁ。
茶畑と、後は寺とか、
あと有名ラーメンの本店とかも、
って女の人は嫌かなぁ。
信楽にも行ってみたいんですよ」

「わぁ、良いですね。
聞いているだけで楽しみですね。
ラーメンとかも大丈夫ですよ。
あまり行ったことがないので、
マナー?掟?みたいなのあったら
教えてくださいね。

信楽って信楽焼の信楽ですか?
たぬき?とかある?
朝ドラの信楽って滋賀ですよね?」

「滋賀なんですけれど、
京都市内まわって、
琵琶湖通って行かなくても、
山越えて行けば近いんですよ。
って言っても他よりは
遠いですけれど行ってみますか?」

「はい!陶芸体験とかも
楽しそうですね。

そんなにたくさん良いんですか?」

「こちらこそ、そんなにたくさん
ついて来てもらって
ありがとうございます。

宇部先生、しっかり普段してるけれど
天然そうだし楽しい道中に
なりそうですね」

「え?私天然じゃないですよ。
でも、まぁまぁ仲良い友達には
言われないのですが、
親友や幼馴染みには
実は『天然の中の天然』
って言われます。

山口先生と出会ってまだ10日も
経ってないのにどうして?
どうして見抜いちゃったんですか?」

「どうしてって言われても。
そういう匂いがするとか?
そんな風にしか言えませんが」

え??私「臭う」の?やだなぁ。

「え?臭うって気にしているのに。
自転車で汗かいたか
心配していたんですよ。
もう!!
今度、朝帰りの現場押さえたら
絶対大声で『あー』って
注目されるように指差しして
仕返ししますから!」

「だから、そういうところですよ。
匂いってそうじゃない
じゃないですか?

天然じゃなかったらあざとくて逆に
怖いですけれど
ツッキーに気に入られているから
それもないんでしょ。

まぁ、楽しくドライブ行きましょう」

「はい、よろしくお願いします」

「学校でなかなか
こういう事話せないから
日にち決めておきます?
あ、SNSも交換しときましょうか?
次の日曜でも良いですよ?」
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