アクセサリーは 要りません

「じゃあ、楽しみにしているね。

こっちがデザートだよ。葛餅。
東京だと亀戸にくず餅屋があるだろ？
あれとは別物なんだよ。
東京のは宇部先生の大好きな小麦を
発酵させたもの、
関西のは葛の根の粉から
作るから全くの別物。

うちの両親、生徒の合格祈願で
亀戸天神に行ったときに
関西の葛餅って思って食べたから
発酵していてびっくりしたらしい」

あ、、、やばい。余計な事言ったな、俺。

「あ、美味しい。
本当だ、別物ですね。
あ、美味しい、このプルルン感
女子は好きですよ。
これ作ってみたいなぁ。

うん？生徒の合格祈願？


山口先生？その表情。
気付かずスルーの方が良い？
うん、スルーしましょうっね？

この後、
春日大社に行くんですよね？」

あ、うまく逃してくれるんだ、この子。ふわってしているけれど、こう言うところは気付いて、それで細やかな気遣いできるんだな。気付けるんだな、これ大事、居心地良いわ。
さて、どうする？彼女には、誤魔化したり嘘は言いたくない。逃してくれているのだから、このままスルーするのもありだけれど、それもなぁ。とりあえずは一旦保留。今日中に解く宿題って事で、彼女の助け舟に乗せて貰おう。